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2023/03/02

長野県支部 避難所における段ボールベッド設置・体験研修会(in 塩尻) 活動報告 11/30

中部地区ブロック長(幹事) 湯本 謙弥

1.件名
避難所における段ボールベッド設置・体験研修会
2.日時
令和4年11月30日(水)10時30分~12時30分
3.場所
長野県総合教育センター 講堂 
(〒399-0711 長野県塩尻市大字片丘字南唐沢 6342-4)
4.参加者
別紙参加者リスト等参照
5.講師
Jパックス株式会社 代表取締役社長 水谷 嘉浩 氏
  (一般社団法人 避難所・避難生活学会 常任理事)
6.活動内容
⑴ 講  義 
 コロナ禍における避難所の環境改善について
⑵ 体験研修会
 段ボールベッドの搬入、組立、設置ゾーニイング体験
⑶ 質疑応答、意見交換
<概要>
 県危機管理防災課主催、市町村職員・市町村社会福祉協議会職員を対象とした「避難所における段ボールベッド設置体験研修」を行った。避難所に見立てた会場において、避難所TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の「ベッド」に関する環境改善の模索について、Jパックス㈱代表者(水谷氏)の指導に基づき、実際に搬入した段ボールベッドを組立て、地べたに横になった場合との違いを実体験した。
7.その他特記事項
<段ボールベッドを配置する場合の注意点と課題>
避難場所における収容可能人数の把握した後、基礎疾患・要介護者等の有無、高齢者、男女、家族構成などに配慮した配置(ゾーニング)
 【ポイント】
 *まず最初に、配置(ゾーニング)を検討する際、幅2mの「避難所大通り」として、十字やT字で確保した上で受付本部を設ける。
 *次に、要介護者、足の悪い高齢者等はトイレ近くに配置したり、小さいお子様がいる家庭は生活音等の配慮から、纏まって配置する等、大まかなにゾーニングを検討する。
 *大枠が決まったら、人数・家族構成を踏まえて、効率のよい区画割りで配置する。
 *最後に、段ボールベッドの配置を決定し、構成人数に応じての仕切りを調整する。  
8.所感
  前回参加させて頂いた避難所における食に関する意見交換会をはじめ、避難所においては、食に関する問題だけでなく、段ボールベッドを備蓄しておくことの重要性を痛感した。
  避難所内では、受付の設置や通路を確保するだけでなく、「食寝分離」が重要であり、規則正しい生活リズムとともに、病気の予防も欠かせない。真夏では熱中症等の危険性、冬場はインフルエンザ等、通年ではコロナの感染予防対策のために定期的な換気も必要となり、スポット的なエアコンや暖房器具などの補助的な設備も必要になるケースがある。
また、真冬に至っては、今回の体験研修でも実体験したが、地べたで直に就寝することは困難であり、段ボールベッドのような設備が無い環境では体調を崩すだけでなく、命を落とす避難者が多くなることが想定され、災害関連死を増長させる原因となりかねない。
  また、避難所TKBのうち、トイレや食事を確保するにあたっては、決断は不要であるが、ベッドを導入する場合は「決断」が必要となり、自治体の裁量に委ねられることになる。ただ、自治体によっては備蓄しておくためのストックヤード不足の実態も浮き彫りとなり、今後も自治体に求められる課題が多々あることを再認識した。

以上

詳細は、NPO 法人日本防災士会長野県支部ホームページ
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